旅行業者の営業保証金についてまとめ【これだけ覚えよう】

旅行業を行うにあたって、ただ登録をすればよいというわけではありません。旅行者を保護するため、旅行会社は、営業保証金を供託しなければ旅行業務を開始することはできません。

営業保証金について

営業保証金は、旅行者が旅行業者との取引で損害を受けた際に備えて、あらかじめ旅行業者の財産の一部を国に預けます。これにより、旅行業者の倒産などがあった場合、営業保証金から旅行者に弁済します。弁済を受けることができるのは、旅行者のみです。取引業者等は対象外となります。

旅行業の登録をした場合、営業保証金を供託してその旨を登録行政庁に届け出をした後でなければ事業を開始できません。旅行業代理業者は、供託の必要はありません。

営業保証金の供託

  • 旅行業者は、営業保証金を供託しなくてはいけません
  • 登録の通知を受けた日から14日以内に、営業保証金を主たる営業書の最寄りの供託所に供託し、登録行政庁に届け出なければいけません
  • 届け出がない場合、登録行政庁は、7日以上の期間を定めて催告をする。更に届け出がない場合は、登録の取り消しができます

営業保証金の額

営業保証金は、登録業務範囲別と前事業年度における旅行業務の取引額で決められています。

前年度が5千万円未満の場合、以下の額となります。それ以上になると変わってきますが、特に登録当初の最低額だけ覚えておけば十分です。

  • 第1種旅行業 ※7,000万円
  • 第2種旅行業 ※1,100万円
  • 第3種旅行業 ※300万円
  • 地域限定旅行業 ※100万円

前年の旅行業務に関する呂翁者との取引額によって変動するため、旅行業者は、事業年度終了後100日以内に取引額を登録行政庁に報告することになっています。

営業保証金の取り戻し

以下のときは、営業保証金を取り戻せます。

  • 旅行業の登録を抹消したとき
  • 変更登録により営業保証金が減額したとき
  • 旅行業協会の保証社員になったとき
  • 前年お旅行者との取引額の減少により営業保証金が減額したとき
  • 国土交通省令の改正で営業保証金の額が引き下げられたとき
  • 主たる営業所の移転で供託所が変更になり、金銭以外で供託していた場合。

※営業所の移転があったときは、供託所も変更となります。金銭のみで供託している場合、保管替えとなります。保管替えとは、営業保証金を移転前の供託所から移転後の供託所へ移してもらうことです。一部または全部が有価証券で供託している場合は、移転後の供託所に営業保証金を供託し、移転前の供託所にある営業保証金の取り戻しを行います。

営業保証金の供託についてのまとめ

供託額

  • 営業保証金の供託先:主たる営業所の最寄りの供託所
  • 供託は、金銭だけでなく有価証券(国債、地方債など定められているもの)でも可
  • 供託額は、第1種7,000万円、第2種1,100万円、第3種300万円、地域限定旅行業100万円

供託の届出期限

  • 新規登録時、登録の通知を受けた日から14日以内→届出がない場合、登録行政庁は、7日以上の期間を定めて催告し、それでも届出がない場合、登録の取消をすることができます
  • 事業年度の取引額が前年より増加した場合、事業年度終了日の翌日から起算して100日以内→届出がない場合、登録行政庁は、7日以上の期間を定めて催告し、それでも届出がない場合、登録の取消をすることができます
  • 業務範囲の変更登録した場合、変更に関わる事業を開始する日までに
  • 旅行業界の保証社員でなくなった日から7日以内
  • 旅行者への還付により保証金が不足した場合、通知を受けた日から14日以内→届け出がない場合、登録失効となります

タイトルとURLをコピーしました