海外旅行実務では、旅券法、出入国の手続きについて理解する必要があります。
旅券、出入国関連
旅券は、政府(外務省)が国外に渡航するものの国籍その他の身分に関する事項を証明し外交官憲に保護を養成する公文書です。
旅券の区分には、公用旅券と一般旅券、一往復用旅券、数次往復用旅券がありますが、特に一般旅券について知っておけばよいでしょう。
一般旅券について
一般旅券は、10年と5年の有効期限のものがあります。
- 10年:20歳以上の成年者
- 5年:成年者が5年の一般旅券を希望する場合や20歳未満の未成年者
旅券の申請手続きの申請窓口は、国内の場合、住所登録のある都道府県、市区町村です。また、一時帰国者、寄港地に上陸した船員、学生、単身赴任者など住民登録地以外に住んでいる場合、居所で申請が可能です。国外で申請する場合、在外の日本国領事館になります。
旅券の名義人が死亡し、又は日本の国籍を失ったとき、旅券の発給を申請したものが旅券の発行の日から6月以内に当該旅券を受領しなかったとき、旅券の有効期限が満了したとき、有効期間内の申請によって返納された旅券は、返納された旅券に代わる旅券の発行があったときなどは、旅券は失効します。
申請について
新規申請は、初めて旅券を申請する場合、現在の旅券の有効期限が満了してしまっている場合、記載事項が変更した場合に可能です。
有効期間内での申請は、旅券の残存有効期限が1年未満となった場合、詐称欄に余白がなくなった場合、著しく損傷した場合、外務大臣や領事館がその他の保護や渡航の便宜のために特に必要があると認めるときとなります。
申請書類は、
- 1点で可能な身元確認の書類は、運転免許証、船員手帳、小型船舶操縦免許証、宅地建物取引主任者証などがあります。
- 2点必要なものは、健康保険証、協同組合員証、国民年金手帳、共済年金等の証書、一般旅券発給申請書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書から2点必要となります。
- また、学生証、会社の身分証明書、公の機関が発行した資格証明書で写真を貼り付けたもの1点と2の書類1点でも可能です。
申請書類の自署欄は、原則として、申請者本人が署名します。本人の署名が困難な幼児や心身の故障などの場合、申請者法定代理人、申請者の配偶者、申請者の海外渡航に同行を予定しているもの、都道府県知事等が代わりに記名することが適当であると認めたものの順で署名の記名が可能です。代わりに記名する場合、申請者の氏名と記名者の指名及び申請者との関係を記入します。例:旅行親太郎(父)代筆など
原則、有効な旅券を返納の上、新規に発給しますが、例外として、氏名の変更、本籍の都道府県の変更は、記載事項の訂正申請が可能です。
発給申請は、本人が行うことが原則ですが、一定の条件のもと代理人による申請も認められています。申請者の配偶者又は二親等内の親族や申請者の指定したもので出頭するものは、当該申請の内容を知り、かつ、都道府県知事又は領事館の支持を申請者に確実に伝達する能力があるものでなければなりません。親権者や成年後見人などの法定代理人の場合、代理人自身の身元確認書類のみで良いですが、それ以外の場合、申請書類等提出委任申出書も必要になります。
旅券の受領する場合、真にやむを得ない理由により申請者の出頭が困難であると認められ、かつ、当該申請者が人違いで無いことが明らかであるときは、都道府県知事、外務大臣又は領事館は、外務省令で定めるところにより、当該申請者の出頭を求めることなく、当該申請者が確実に受領できると認められる最も適当な方法により一般旅券を交付することができます。渡航先の追加、記載事項の訂正、査証欄の増補の場合は、本人自筆の委任状があれば名義人が指定した者による代理受領が可能です。どちらも申請者が指定した代理人は、事故の行為の責任をわきまえる能力があるものでなければなりません。
査証欄に余白がなくなった場合、新規に旅券を申請するか、1回に限り増補申請が可能です。